(洋子) 耳のうしろが痒(かゆ)いと
(理保子) 素敵な事件が 起こるものよ
(洋子) 耳たぶが今 うずいてる
(二人) 恋が近づいてる証拠なのよ
(理保子) 消えた悲しい恋なら
(洋子) 両手の指でも足りないけど
(理保子) たとえ涙で終わっても
(二人) こころ燃やせたなら それでいいの
(洋子) 殿方の
(理保子) その視線
(二人)体中に刺さり 痛いほどよ
(理保子) 街角のカフェ ひとりで
(洋子) 人待ち顔して時計を見る
(理保子) 少女のようなときめきで
(二人) 恋を待ちつづけて時を過ごす
(洋子) 少し憂(うれ)いをふくんだ
(理保子)瞳を悲しく伏せてみるの
(洋子) 放っておけない風情でしょう
(二人) 耳のうしろがもうたまらないわ
(理保子)殿方の
(洋子) その視線
(二人) 体中に刺さり痛いほどよ
(理保子)ガラスのドアを押したら
(洋子)おもてはまぶしい午後の腸差し
(理保子)影を踏み踏み 歩きましょう
(二人) 誰か声をかけてくれるはずよ・・・・・・